【図解】融資を成功に導く企業概要書の書き方・記入例10の秘訣|日本政策金融公庫版

日本政策金融公庫から融資を受けるときには、様々な書類を提出する必要があります。その1つが企業概要書です。

そこでここでは、日本政策金融公庫から融資を受けるときに必要になる企業概要書の書き方・記入例について、その秘訣を解説します。

特に、日本政策金融公庫から初めて融資を受ける会社は必見です。

日本政策金融公庫に提出する企業概要書とは

企業概要書とは、会社の沿革や経営者の略歴、取扱商品など、融資担当者などの第三者がその会社を短時間で理解できるように必要事項を記載した会社についてのサマリー(要約・概要)のこと。

企業概要書を見れば、初めて御社の融資をする担当者であっても、事業内容等について短時間で理解することが可能になります。

経営者であればご存知だと思いますが、税務署に法人税の決算申告書を提出するときには、合わせて法人事業概況説明書を提出します。

この法人事業概況説明書と(記入事項は異なりますが)企業概況書の基本的な役割は同じです。法人事業概況書も、短時間で税務署に会社の事業等を理解させるために提出しますが、企業概況書も日本政策金融公庫の担当者に短時間で会社の概要を理解して頂くために提出します。

企業概要書の提出が必要な会社

日本政策金融公庫から融資を受ける際に提出する企業概要書ですが、どのようなときに提出するか疑問に思われる経営者もいらっしゃるはず。

企業概要書は、日本政策金融公庫から初めて融資を受けるときに(日本政策金融公庫に初めて融資の申込をするとき)提出します。

ただ創業融資のときなど、創業計画書を提出するときは不要です。これは創業計画書に、企業概況書とほぼ同じような記入項目があるからです。

また既に公庫と取引実績(融資実績)のある会社が融資の申込をするときにも企業概況書の提出は不要です。

既にお伝えしたとおり、企業概況書は公庫側と初めて取引する会社を(公庫の)担当者が短時間で理解するための書類ですので、既に取引実績のある会社については事業内容等について公庫側が知っているからです。

企業概要書の書き方・記入例10のポイント

それでは早速、企業概要書の書き方・記入例のポイントを確認します。

企業概要書のサンプル企業概要書の画像

企業概要書のフォーマットはこちらDL可能です

1.「企業の沿革・経営者の略歴等」の書き方

企業概要書の画像

企業概要書の記入例1ー5

1-1. 「企業の沿革」の書き方

会社の設立や、支店の創設、多店舗展開した時期など、会社としての「実績」がアピールできるように記載します。実績がアピールできるように記入する点がポイントです。

「企業の沿革」では、会社設立以降(少しづつでも)会社が成長しているという点をアピールできればOKです。

企業の沿革は、個人の「履歴書」と同じような役割を果たします。

1-2. 「経営者の略歴」の書き方

経営者の略歴を記入します。経営者としての実績や、起業するまでの(サラリーマン時代の)実績をアピールできればベリーグッドです。

またアピールできる学歴があるならば、学歴も記載した方が印象は悪くはなりません。ただ学歴しかアピールポイントがなければ、融資は難しくなります。

実施する事業に結び付くような資格があるならば、その資格も記載することをお勧めします。

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経営者の略歴や、これまでの実績はとても大切です。

1-3. 「実際の経営者」の書き方

実際の経営者は、融資を申込む方または法人の代表者であることが望ましいです。なんらかの理由で、法人の代表者と実際の経営者が違う会社がありますが、これは避けるべき。

融資側も、「実際の経営者」には注視します。

MEMO
過去の事故案件の当事者(例えば、過去に破産したことのある方)が融資を受けることは非常に難しいのが現状です。こうした場合、過去の事故案件の当事者が自分自身で融資を申込むのではなく、例えば妻などを会社の代表にして、妻が融資を申込むことが稀にあります。このような抜け道を防ぐために、実際の経営者を記入することになります。

1-4. 「許認可等」の書き方

飲食業や建築業など、許認可が必要な事業があります。事業に必要な許認可を取得していないと融資を受けることは無理ですので、事前に必ず取得する必要があります。

許認可等のコピーも、融資の審査前に提出を求められることがあります。

1-5. 「知的財産等」の書き方

特許や商標など、アピールできる知財があるならば、必ず記入しましょう。

特許権などの知財はビジネスの根源になることがあり、事業によっては特許がなければ、事業ができずに売上も全く上がらないということがあり得ます。

売上が上がらなければ、融資を受けたとしても返済することが難しくなるため(返済可能性がないと判断されて)、結局融資を受けられなくなります。

特許などの知的財産を特許庁に申請すると、特許庁からその知財に個別の出願番号等が割当られますので、その番号を「知的財産等」の欄に記入してください。

6.「従業員」の書き方

企業概要書の記入例6

役員の人数や、従業員数、パート従業員の人数を記入します。従業員については、最近雇用した3か月以上継続して雇用する予定の人も記入します。正確な人数を記載しましょう。

既に法人事業概況説明書について少し触れましたが、法人事業概況説明書にも従業員の人数を記載する欄があります。

法人事業概況説明書に記載した人数と企業概要書に記載した従業員の人数に大きなズレがあると印象が悪くなります。

企業概要書に従業員の人数を記入するのは、公庫側が会社の規模を確認したり、固定費の発生状況を予測するためです。

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固定費の発生状況が予測できれば、公庫側が会社の資金繰りや融資の返済可能性を判断するのに役立ちますね。

7.「関連企業」の書き方

企業概要書の記入例7

経営者や、その配偶者が経営している企業を関連企業の欄に記入します。

関連企業も記入するのは、迂回融資等を避けるためだったり、関連企業に問題がないかどうか確認するためです。

また経営者がいくつか会社を経営している場合(関連企業がある場合)には、その会社を併せて借入限度額が判断されます。

ですので、他の関連会社で既に借入限度額に達しているときには融資を受けることは難しくなります。

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8.「お借入の状況」の書き方

企業概要書の記入例8

経営者個人の借入状況を説明するために、借入金の残高や年間の返済額を記入します。

例えば、住宅ローンや車、教育ローンについて、その残高と返済額を記載します。

「お借入れの状況」で借入残高や年間返済額を記載するのは、経営者個人の借入残高や返済が、公庫への返済可能性にも影響するからです。

因みに、日本政策金融公庫からの融資のときは、審査の一環でJICC等で個人の信用状況も確認されます。

9.「取扱商品・サービス」の書き方

企業概要書の記入例9

企業概要書のなかでも、この「取扱商品・サービス」は特に大切です(この他に特に大切なのは、経営者の略歴)。

取扱商品・サービスと経営者としての略歴(実績・実力)で、スタートアップ、中小企業の運命は左右されるからです。

企業概要書の「取扱商品・サービス」の記入箇所は狭い(小さい)ですので、この部分は補足の資料を添付しても構いませんので、十分にアピールしましょう。

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10.「取引先・取引関係等」の書き方

企業概要書の記入例10

取引先・取引関係等には、仕入先や販売先との取引年数やシェア、回収・支払条件などを記載します。

回収・支払条件の記載まで求められるのは公庫側が会社の資金繰りの状況を想定するためですが、上で説明した「取扱商品・サービス」に比べれば重要性は低くなります。

取引先・取引関係等は重要性はそれほど高くないのですが、取引先等に社会的に問題のある会社が記載されていると、融資を受けることは難しくなります。

企業概要書の書き方・記入例の重要ポイント

以上、企業概要書の記入の仕方について説明しましたが、特に重点的に記載・アピールすべき箇所は「経営者の略歴」(経営者の実績含む)と「取扱商品・サービス」の部分です。

この2つの箇所は手を抜かずにしっかりと記入し、アピールすることをお勧めします。

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