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融資借入を受けるためのビジネス・デューデリジェンス(DD)の手順


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銀行からの融資・借入の申込の際はもちろん、VCなどから資金調達するときには様々な書類を提出することが一般的です。

ただ、不動産担保ローンなどのときには決算書の提出も不要なケースもあります。

このような不動産担保ローンなどの一部の例外を除き、決算書は当然にして銀行に提出しますし、その他の必要書類を提出します。

提出必要書類以外にも、「任意」で提出した方が良い書類もあります。融資や、借入の際に任意で提出すべき書類は様々な書類があり、個別案件の状況によってその種類も異なります。

そこで今回は任意で提出すべき書類の1つでもある「ビジネス・デューデリジェンス」レポートについてお伝えします。

融資の案件によっては、ビジネス・デューデリジェンスを実施し、その結果をレポートとして提出した方が効果的なことがあります。

ビジネス・デューデリジェンスとは

まずはデューデリジェンスについて簡単に説明します。

デューデリジェンスとは、会社やビジネス環境などを調査・分析することです。

何を調査・分析するかは、デューデリジェンスの種類によって異なります。

例えば、会社が関わっている法律関係を調査するときは、法務デューデリジェンス。会社の財務状況などを調査するときは、財務デューデリジェンス。会社の労務状況を調査するときは、人事(労務)デュー・デリジェンス。会社が属している業界等を調査するときは、ビジネス・デュー・デリジェンス。

取り合えず、デューデリジェンスの種類には、何を調査するかで様々な種類があります。

余談になりますが、デュー・デリジェンスを実施するか否かは会社の予算によります。例えば、大型のМ&A案件や再生案件の場合には、ほぼ必ずデューデリジェンスを実施しています。反面、予算のない小さなМ&A案件のときには、全くデューデリジェンスを実施しないこともあります。

話を戻します。

ビジネス・デューデリジェンスとは、会社が属している業界のビジネス概況等を調査・分析することです。

例えば、ビジネス・デューデリジェンスでは、会社が属している業界が将来的にどのようになるのかを調査・分析します。

ビジネス・デューデリジェンスの概要については後述します。

融資借入でビジネス・デューデリジェンス(DD)を実施すべきとき

銀行に融資・借入を申込むときにも、ビジネス・デューデリジェンスを実施して、そのレポートを提出した方が効果的なことがあります。

もちろんビジネス・デューデリジェンスを実施する必要までもないこともあります。例えば、日本政策金融公庫などへの小口借入の申込ときには、DDを実施する必要はありません。※

※ 再生案件など、日本政策金融公庫が絡んでいる案件でDDレポートが求められることもあります(通常の融資の際はほぼ必要ありません)。

ビジネス・デューデリジェンスを実施して、金融機関にそのレポートを提出した方が効果的なのは大型の融資案件のときです。

多額の融資を希望するときには、会社が属している業界の将来的な見通しなどをデューデリジェンスを実施したうえでレポートとして提出した方が効果的なことがあり、実際にビジネス・デューデリジェンスを実施して、融資の申込の際にそのレポートを提出している会社はあります。

ビジネス・デューデリジェンス実施の流れ

ビジネス・デューデリジェンスを実施するときの「大まかな」流れについて説明すると下のようになります。

ただここでお伝えするデューデリジェンスの流れは絶対的なものではなく、簡便的な調査・分析で済ませることもあります。

ビジネス・デューデリジェンスのイメージ

  • STEP.1
    マクロ環境分析
    PEST分析などを活用してマクロ環境を分析することもありますが、このマクロ環境分析は省略することがある。
  • STEP.2
    市場動向分析
    自社が属している市場の将来的な動向を分析する。
  • STEP.3
    競争環境分析
    市場シェアや競合の顔ぶれなど競合を分析する。
  • STEP.4
    ビジネスプロセス分析
    自社のビジネスの仕組みを分析し強みと弱みを把握したり、勝ち組のKFSを分析する。
  • STEP.5
    ビジネスインフラ分析
    会社部署間で円滑な連携が出来ているかなどを分析しますが、会社の事情により省略することもある。

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KFSとは、Key Factor for Successの略で、成功要因のことです。

以上、ビジネス・デューデリジェンスの一般的な流れですが、コスト(時間、予算)の都合で、資金調達でのDDではマクロ環境分析や、ビジネスインフラ分析などは省略されることがあります。

ビジネス・デューデリジェンスを実施するときのポイント

ビジネス・デューデリジェンスを実施して、そのレポートを銀行に提出する目的は次の2点です。

1.銀行側の返済の見込みについての理解を促すこと

2.事業性評価の材料を提供すること

借入前にゼッタイ知っておくべき事業性評価融資とは?

またビジネス・デューデリジェンスを実施するときには留意すべきポイントがあります。

それはビジネス・デューデリジェンスは、信頼のある第三者が実施しなければ効果が薄いということです。

例えば、会社内部の新人がビジネス・デューデリジェンスを実施して、銀行にそのレポートを提出しても効果は期待できないはずです。会社内部の新人では、業界にどれだけ精通しているか不明で、しかも客観的な調査・分析は期待できないからです。

またレポートは誰が作るかによってそのクオリティが全く違います。銀行側の担当者も素人ではありませんので、クオリティの低いビジネス・デューデリジェンスのレポートを提出すれば、記載内容の信ぴょう性には疑問を持たれるはずです。

銀行借入の際にはDDレポートを提出すれば良いというわけではなく、提出するならば、それなりのビジネス・デューデリジェンスのレポートを提出すべきです。


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