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銀行融資の1つ資本性借入金のメリットと活用例


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会社が資金調達として銀行から融資を受けることは珍しくないですが、融資の種類は様々です。広く知られた通常の借入もありますが、資本性借入金というものもあります。

今回は資本性借入金についてお伝えします。

資本性借入金とは

資本性借入金とは、銀行が会社の財務内容を判断するに当たって、負債ではなく、資本とみなすことができる借入金のことです。

資本性借入金は、その名の通り、基本的には借入金です。貸借対照表上も負債の部に計上されます。

ただ中小企業に資金を注入することで地域の経済を守らなければならないなどの理由があって、一定の要件を満たす借入金については、資本とみなすことができます。

資本性借入金のメリットについては後ほどお伝えしますが、かりに借入金を資本とみなすことができれば(形式的に)財務状況が改善されて、新たな融資の可能性にも繋がります。

そして借入金をを資本とみなすためには次のような要件があります。

資本性借入金の要件
1.契約時における償還期間が5年を超えること
2.配当可能利益に応じた金利の設定があること
3.法的破綻時の劣後性 ※

※ 法的破綻時の劣後性とは、イメージ的には、もし会社が破綻したときに他の債権と同じタイミングでは回収できないということです。他の債権と同じタイミングで回収できるならば、「法的破綻時の劣後性」という要件は満たさなくなり、資本性借入金としては扱われなくなります。

いずれにしても銀行からの借入金を資本とみなすことができれば、会社にとっては次のようなメリットがあります。

資本性借入金のメリット

資本性借入金は、負債ではなく資本としてみなされることになるので、次のようなメリットがあります。

1.新たな融資の可能性

資本性借入金は、負債ではなく資本としてみなされることになります。資本とみなされますので、形式的に財務内容は改善します。ですので、新たな融資を受けられる可能性があります。

基本的に資本性借入金を活用するのは、再生企業などの財務内容の悪い会社です。財務内容の悪い会社が新たな融資を受けられるとすれば、言うまでもなく、会社にとっては大きなメリットになります。

2.資金繰りが改善する

基本的に資本は返還することは予定されていません。資本性借入金も(一時的にではあるけれど)元本の返済が猶予されます。元本の返済が猶予されれば、言うまでもなく、会社の資金繰りは改善されます。

元本の返済が猶予されることも、財務内容の厳しい会社にとっては大きなメリットになります。

会社にとっては、猶予された時間で業績を回復するチャンスがあります。

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銀行にとっても、貸倒引当金の繰入を損金処理できるなどのメリットがあります。

資本性借入金の活用法

ここまで説明してきた資本性借入金が一般的な会社で当たり前のように活用されることは想定されていないのですが、例えば、次のような活用例はありませす。

再生会社のバンクミーティングでの活用

元本を返済できなくなった再生企業では、融資を受けた全ての銀行と会社間で、どうやって事業を立て直して返済していくかのミーティング(通称、バンクミーティング)をすることがあります。

このバンクミーティングのなかで、会社側が、銀行との交渉材料として資本性借入金を活用した経営改善計画を提示して全ての利害関係者の合意を取り付けることがあります。

ベンチャー企業の資金調達

ベンチャー企業が財務改善のために資本性借入金で資金調達し、調達した資金で有利子負債を弁済するために活用することがあります。

このスキームで資本性借入金を調達したのは東京プロマーケットに上場しているイー・カムトゥルーです。

この資本性借入金の借入条件は次の通りです。

資金使途 有利子負債の弁済
借入先 日本政策金融公庫
借入金額 40百万円
借入条件 借入後1年ごとに、直近決算の業績に応じた利率を適用
実施時期 平成30年2月28日
借入期間 6年間
担保の有無 無担保・無保証

この資本性借入金の条件は、4000万円が無担保・無保証で借入しています。


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