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【まとめ】スルガ銀行の不正融資の手口


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不動産業者が不正をやったとしても、それほど驚きはありませんが、お金を扱っている銀行が不正をすると、さすがにちょっとビックリしますし、残念な気持ちになります。

不動産業界は泥臭いことがたくさんあると思いますが、金融業界は(当然、未だに泥臭いことはあるはずですが)社会のインフラとしての公正性を守るべき。

本記事では、スマートデイズに端を発したスルガ銀行の不正融資の手口について紹介します。

スルガ銀行の不正融資、事件の概要

スマートデイズが運営するシェアハウス「かぼちゃの馬車」の家主を募るにあたって、その家主に物件(シェアハウス)の購入資金としてスルガ銀行が(不正)融資をしました。これが新聞等で大きく取り上げられたスルガ銀行の不正融資事件です。

シェアハウスをスマートデイズが一括借り上げをし、家主に対して「30年間家賃保証」していましたが、30年も持たずに家賃は払えなくなってしまい、スマートデイズはあえなく倒産。

30年間の家賃保証を期待して家主となった人達(サラリーマンなど)は、家賃収入を得られず、スルガ銀行の不正融資によって借入れる羽目になっえしまった負債だけを負うことになってしまいました。

スルガ銀行が、家主にシャアハウスの購入資金を貸し付ける際に、組織ぐるみで書類の偽造に関与するなど、かなりの不正行為があったようです。

このスルガ銀行の不正については、弁護士を中心とした第三者による調査が行われ、報告書も公表されています。

スルガ銀行の不正融資の手口が明らかに。

スルガ銀行の不正融資の手口は、調査報告書のなかで公表されていて、そのなかでかなり具体的に記載されています。

ここでは、調査報告書の内容を紹介する形でお伝えします。

通帳や、自己資金確認資料の偽装

スルガ銀行の不正融資に絡む調査報告書を読むと、不動産業社とスルガ銀行がツーカーの仲だったことがわかります。

偽装内容
特推(特別推進チーム)のリーダーが業者に「エビ(エビデンス)15Mぐらいでお願いします」と偽装されたエビデンスの作成を依頼
業者が行員に対して、同じ口座番号で残高の違う預金通帳を送付した
業者が複数の金融機関の通帳をエビデンスとして行員に送付。その際、「〇〇銀行以外は全て本物です」と連絡
業者が行員に対して同じ口座番号で残高の違うネットバンキングの残高を送付。またその前に行員が業者に「材料送ります」というメールを送っており、偽装に行員自身が一部関与していた
業者が行員に対してネットバンキングの残高の画面を送付。その際に「カラーと白黒をお送りします(カラーはいじりがわかりやすいかも)のでお選び頂きますようお願いします」というメッセージを添える
業者が行員に対して「エビはいくらで出した方が理想ですか?」と偽装内容の指示を依頼した
業者が所属長に対してネットバンキングの残高を送ると共に「数字の変更等があればすぐ訂正できるデータを作っておりますので、お申し付けください」というメッセージを添える
業者が行員に対して不審な内容の自己資金資料(3か月前と比べて2500万円増額している)を送付
業者が預金通帳コピー(計算間違いがあり手書きで修正した箇所があるもの)を送付
業者が「金融資産はどうしましょうか。足りないかなと」と連絡したところ、行員が「新規でエビ出すしかないですね」と、偽装のエビデンス作成を教唆
MEMO
スルガ銀行では、シェアハウスを含む収益不動産のローンで、10%の自己資金を投資家に要求する運用となっていて、自己資金を用意できない投資家や投資家に不動産を販売する不動産販売業者が、10%の自己資金があるかのような偽装工作が行っていたと報告されています。またこの偽装に関してはスルガ銀行側も関与していた報告されています。

収入関係資料の偽装

自己資金は、ストック(特定の日時での財産)ですが、フロー(特定の日時ではなく、一定期間の収入)に関する資料も偽装されていました。

偽装内容
業者が行員に対して不審な内容の源泉徴収票(源泉徴収票では年収1000万円だが預金通帳に記載された給与は月額21万円)を送付
債務者が個人事業主の案件で、行員が業者に「翌期の決算を当社のご要望通りにしていただけた場合、借入金額を3~5百万円増加できる可能性がございます」として、収入の偽装を提案
債務者が高校の教員であるにもかかわらず、給与所得の源泉徴収額を0円とする確定申告書が提出される
支店の所属長が首都圏営業の部長・副部長に、特推の行員が「年収によってローンの上限額が決まるので、足りない場合は源泉徴収票を作ってくれ」「その源泉徴収票を役所に持っていけば、その金額の課税証明書が取れる」などと業者に説明に回っており、特推の部長がそのような指導をしていると糾弾
業者が行員に対して提出した源泉徴収票に記載の給与が振り込まれた形跡が通帳にない

入居状況の偽装

収益物件ローンにおていは、融資の稟議申請前に、物件の実地調査を営業本部の行員が確認するルールとなっていたようですが、調査前に行員が業者に対して調査の日時を教え、入居状況を偽装することも行われていました。

偽装内容
行員が業者に「物件の調査スケジュールを送信させて頂きます」として、調査のタイミングを事前に伝達
業者が行員に対して「〇〇日に現地に行ってカーテンやってきますので、完了したらまたご連絡致します」と連絡
業者から「空室部屋、カーテンつけたほうがいいですか??」という質問があり、行員から「評価がでているのでそのままで」という返答

手付金領収書の偽装

自己資金がない人には、通帳提出の代わりに、手付金等の領収書を偽装して、自己資金をあったかのような偽装も行われていたようです。

偽装内容
行員から業者に「手付済エビデンス、弊社に900万円入金あり(900万の出所、振込履歴のエビもご用意ください)」として、具体的なエビデンス作成を指示
業者が行員に「中間金エビデンス」としてネットバンキングの残高のスクリーンショットを送っているが、入出金明細の設定期間が2015年12月20日までであるにもかかわらず、同月24日の取引が表示される
業者が行員に、預金通帳記載の日付と別の日付の手付金額領主証を送付、後に預金通帳の方を偽装して修正
業者から行員に「830万円の振込時間教えてください」「分秒数まででますが、9:00で大丈夫ですかね?」と、手付金の振込みを偽装するためのエビデンス作成を相談。これに対して行員が「9時24分16秒です」と返答
業者から行員に「手付金の額はいくらで出したらよろしいでしょうか?」と手付金領収書の偽装を予告する連絡

審査条件の暴露

行員が不動産業者に対して、どうすれば銀行借入の審査が通るか、審査条件の暴露もあったようです。

不正内容
所属長が初対面の販売会社に審査の条件(年収は原則800万円以上でないと貸さない、年収1000万円以下の場合は1憶までしかないと貸さない)を伝え「それを突破するパターンとして見込み年収で10百万円超にもっていくやり方」があると伝え、審査の突破方法を伝授。
スマートライフがチャネルC社から「現在、スルガ銀行では徒歩15分の物件は控えるようにとの指示が出ている」という情報を入手し、スマートライフ社内で周知されている
業者が行員に、物件の所在地を伝えて「求められる利回りご教示下さい」という連絡をし、それに対して行員が「利回りは8半ばくらいかなと」と返答し、暗に審査を通るような利回りを備えた資料の作成が必要であることを示唆

mica

偽装の仕方がちょっと杜撰ですね。

ファクタリングの前にゼッタイ知っておくべき悪徳業者の手口


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