融資と比較したクラウドファンディング３つのメリット

資金調達の手法としては、伝統的な方法として融資・借入や、増資等から、比較的新しい資金調達方法として債権流動化、ABL、ソーシャルレンディングまで様々な手法があります。

いろいろな資金調達の方法はあるのですが、どの方法にも一長一短で、メリットとデメリットがあります。

もちろんクラウドファンディングにもメリットとデメリットがあります。このクラウドファンディングのメリットとデメリットについてお伝えします。

クラウドファンディングのメリット

クラウドファンディングとしては、株式型やファンド型、購入型などいくつかのタイプがありますが、ここで説明するクラウドファンディングとしては購入型のクラウドファンディングを前提として、購入型のメリットについてお伝えします。

メリット１．融資の審査に比べて、クラウドファンディングの審査が緩い

クラウドファンディングを開始する場合には、まずクラウドファンディングの運営会社に申し込んで、実際にクラウドファンディングのプラットフォームでプロジェクトの募集を開始しても良いか否かの審査があります。

クラウドファンディングの審査は、融資に比べれば、かなり審査が緩くなります。

例えば、融資の審査であれば、各種見積書の提出はもちろん、事業計画書等の提出も必要で、その事業計画の実現可能性までも審査対象ですが、クラウドファンディングの審査では、金融機関がやっているような実現可能性の評価まではナシ。

これは金融機関とクラウドファンディングの運営会社では、会社（資金を調達する事業者）に対する立ち位置が違うからですね。

金融機関はあくまでも債権者であって、融資を実行した後、いずれ資金を回収しなければならない立場にあるからです。

購入型のクラウドファンディングでは、調達した資金を運営会社が回収する必要はないので、審査を必要以上に厳しくする必要はありません。

この点で、両者の審査のハードルが異なってきます。

メリット２．テストマーケティング可能

クラウドファンディング＝資金調達というイメージが強いのですが、クラウドファンディングは資金調達として活用するよりも、テストマーケティングとして活用した方が効果的だと思います。

クラウドファンディングを活用して、テストマーケティングを実施すると、新製品や新しいサービスなどについてのニーズがある程度つかむことができます。

また全くの新製品や、新規事業の場合には、どれくらいの売上を見込めるか不明で、将来の売上予測が難しいため、金融機関は融資を実行しないことがあります。

このような新製品等の販売に必要な資金を金融機関が提供しない場合には、クラウドファンディングを活用してテストマーケティングを実施し、どれくらいのニーズがあるか推し量ります（と同時に資金調達もします）。

テストマーケティングの実施でニーズがあることが判明すると、一度融資を断った金融機関の方から営業がかかることもあるようです。

メリット３．プロモーション効果がある

無事にクラウドファンディングでプロジェクトの審査を通過し募集が開始されると、プラットフォーム上ではそのプロジェクトの募集が開始したことが告知されますし、SNS上にもそのプロジェクトの情報が流れてきます。

またクラウドファンディングで会員登録をしていれば、ニュースレターで募集が開始したプロジェクトについての案内も届きます。

このようなクラウドファンディングのプロモーション効果やテストマーケティングの実施は、金融から融資を受ける場合には得られないメリットと言えます。

クラウドファンディングを活用して資金調達できることはメリットの１つですが、資金調達以外に、テストマーケティングできることや、プロモーションもできることは会社にとって大きなメリットになります。

クラウドファンディングのデメリット

クラウドファンディングのデメリットについてもお伝えします。

１．手数料がかかる

クラウドファンディングで資金を調達した場合には、クラウドファンディングの運営会社に手数料を支払う必要があります。運営会社も事業をしているわけなので、手数料を支払うのは当然のこと。

手数料の相場は大よそ１０～２０％です。

クラウドファンディングは、融資と違って利息制限法の適用外なので、上限なく手数料を請求することができます。

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２．必要な資金を調達できない可能性がある

そもそもクラウドファンディングで資金を調達しようとしても、その商品やサービスへのニーズがない場合や、プロジェクトのPRが不発した場合には、思い通りの資金を調達できない可能性があります。

またクラウドファンディングの運営会社に１０～２０％の高い手数料を支払うわけですので、その分、実質的な調達額が目減りすることになります。

購入型のクラウドファンディングの場合には、サポーターに対して商品等を提供することになるので、その商品等にかかる代金も調達額から差し引くと、希望通りの資金が手元に残らない可能性もあります。

３．大型の資金調達は難しい

金融機関からの融資であれば、ある程度、大型の資金調達は可能ですが、クラウドファンディングの場合には大型の資金調達をするのはかなり難しいと思います。

まとめ

クラウドファンディングにはメリットがありますが、デメリットもあります。

会社の将来的なビジョン等を考えた場合には、継続的に金融機関と付き合い信頼関係を築いておいたり、取引実績を作っておく必要も少なからずあります。

資金調達する場合には、会社の方向性や、資金調達の目的などを総合的に考えて、融資にするか、クラウドファンディングにするか、または増資にするかなど資金調達の方法を選択した方が有利になりますし、将来的に会社の規模拡大や事業のスケールを目指すならば資本政策も考えた上で資金調達する必要もあります。

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