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ICOによる資金調達5つのメリットと投資家にとってのリスク


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仮想通貨や、ブロックチェーンという言葉が2017年頃からよく耳にするようになり、国税庁が「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」についての見解も出しました。

ブロックチェーンは仮想通貨だけではなく、様々なサービスに活用できると言われていますが、実際にどのようなサービスに利用できるかわからない方も多いようで、ビックサイトでブロックチェーンに関する展示会などがあると、その情報収集のために来場する人も多いようです。

今回は、ブロックチェーンに関連するものとして、ICOによる資金調達のメリットや、リスク、資金調達するときの流れになどのついてお伝えします。

ICOによる資金調達とは

ICOとは、Initial Coin Offeringの略で、投資家にトークンを発行・販売して資金を調達することです。

因みに、金融庁はICOのことを次のように表現しています。

ICOとは、企業等が電子的にトークンを発行して公衆から資金調達を行う行為の総称のこと。トークンセールスと呼ばれることもあります。

mica

トークンとは、イメージ的には、ポイントみたいなものです。amazonポイントとか、楽天ポイントがトークンのイメージに近いと思います。

ICOによる資金調達についてまとめると、資金調達をしたい会社は、投資家にトークンを販売して(仮想通貨で)資金を調達し、その仮想通貨を換金することで資金調達が完了します。

ICOによる資金調達のメリット

ICOという、なんだかよく聞き慣れない新たな資金調達方法には次のようなメリットがあります。

資金調達にあたって、実質的に審査がないに等しい

実質的に審査がないに等しいというのは、資金調達側にとってはメリットですが、投資家側にとっては単なるリスクでしょう。

融資・借入や、VCから資金調達する際には、程度の差こそあれ、それなりにしっかりした審査があります。ICOの場合には、実質的にないに等しい。理由は後述します。

ICOで世界中から資金を調達できる

例えば国内のVCから資金調達できない場合でも、ICOを紹介しているサイト等でプロジェクトを宣伝すれば世界中から資金調達できる可能性があります。

調達後の支出がない

例えば、銀行融資や第三者割当増資の場合には、資金調達後に利息の支払、(原則として)配当の必要性があります。

しかしICOによる資金調達の場合には、利息の支払、配当は一切不要です。しかもトークンを発行するだけで株式を発行するわけではないので、会社の支配権にも影響はない。

シードでの資金調達も可能

VCからの資金調達の場合には、シードの段階で資金調達するのは難しいですし、シードで出資する投資家も多くないのが現状です。

ただICOは、開発の初期段階からでも、アイデア、試作段階でも資金調達できる可能性があります。

証券会社や監査法人の関与がいらない

IPOによる資金調達の場合には、監査法人や証券会社に高額なフィーを支払う必要がありますし、様々なアドバイスに拘束されることがありますが、ICOの場合には、監査法人と関わる必要性は一切ありません。

ICOによる資金調達のリスク

ICOにはメリットもありますが、もちろんリスクもあります(主に投資家にとってのリスク)。

トークンの価格が急落したり、無価値になる可能性がある

ICOで自分が購入したトークンは価格が急変したり、突然無価値になる可能性があります。このリスクについては、金融庁も指摘しています。

ICOの対象になっているプロジェクトがローンチできないことが多い

ICOによって資金調達の対象になったプロジェクトが、実際はローンチできないことが多いと言われています。

詐欺の可能性がある

ICOの際にはホワイトペーパー(≒ 事業計画書)を公開します。このホワイトペーパーに記載されたプロジェクトが実施されなかったり、そもそもそのようなプロジェクトが存在さえしていないこともあると言われています。

投資の回収ができない可能性が高い

ICOの場合には、開発段階など、早めのステージで資金調達することもあって、そもそも事業化できずに事業そのものが失敗する可能性が高い。

ICOによる資金調達の流れ

確かに投資家にとってはリスクが低いとは言えないICOですが、会社にとってはかなり大きなメリットがあります。

会社がこのメリットを享受するための流れは、大よそ、次のようになります。

  • STEP.1
    プロジェクトサイトの公開
    ICOによって資金調達するプロジェクトを紹介するサイトを公開する
  • STEP.2
    ホワイトペーパー公開
    プロジェクトのホワイトペーパーを公開 ※
  • STEP.3
    公募開始
    プロジェクトの紹介サイトで宣伝し、公募を開始する
  • STEP.4
    トークン配布
    公募終了後にトークンを配布する
  • STEP.5
    換金
    資金調達で得た仮想通貨を交換所で換金する

ホワイトペーパーは公開されますが、投資家側が実質的に事業計画書等を審査することはできないし、実現可能性も信ぴょう性も評価することはできない。この点は問題点ですし、投資家側にとっては大きなリスクです。

また会社側と投資家側には情報の非対称性があり、現状では(特に法令の記載もなく)基本的に会社側が有利なので、もし出資するとすれば経営チームのキャリアと実績などを判断の拠り所の1つにするのもアリだと思います。


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