ファクタリングと比較した売掛債権担保融資5つの特徴

債権者が債務者に対して保有する権利を債権と言いますが、この債権にもいくつかの種類があります。例えば、商品を売るなどして会社の本業から生じた債権は売掛金になります。

例えば、飲食店でツケ払いしたときは、その飲食店はそのお客さんに対して、売掛金を取得することになります。

しかし、例えば、飲食業を本業とする会社が第三者に車を売っても、債権を取得することになりますが、その債権は売掛金ではなく、未収金となります。

ユニクロが車を販売して取得した債権も売掛金にはならずに、未収金となります。

債権に関連して、ここでは売掛債権担保融資の概要や、ファクタリングと比較したときの特徴についてお伝えします。

会社によっては、ファクタリングよりも売掛債権担保融資の方が有利な条件で資金調達できることになりますので、ご興味のかる方は一読ください。

売掛債権担保融資保証制度とは?

売掛債権担保融資保証制度(以下、売掛債権担保融資)とは、中小企業者が、取引先に対して有している売掛債権を担保として、金融機関から融資を受けるときに、信用保証協会が保証を行う制度のことです。

いわゆる、売掛金を担保として融資を受けると同時に、保証協会からの保証を受けるということで、融資の1つです。

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自宅を抵当に入れるときは、その自宅は手元に残ったまま自身で居住を続けることができます。これが担保の基本的な特徴なのですが、売掛債権担保融資は譲渡担保ですので、売掛金を担保としつつ、この売掛金を譲渡することになります。

この点が売掛債権担保融資の特徴の1つとも言えます。

また、この売掛債権担保融資のメリットは3つあると言われています。

1.資金調達能力がアップする

担保となるような不動産がない場合でも、売掛金を担保とすることで資金調達が可能になります。

2.資金繰りの改善

得意先からの入金を待たずして資金調達することができるので、資金繰りの改善につながります。

3.返済が容易

返済原資を工面することなく、売掛金の回収をもって返済されることになります。

また売掛債権担保融資に保証協会からの保証が付くということであれば、金融機関にとっても貸しやすいと言えます。

ただ、この売掛債権担保融資については注意点もあります。

それは債権者と債務者間で譲渡禁止特約のある売掛金は、担保の対象にならないということです。

例えば、債権譲渡され債権者が悪徳債権者などに代わると、債務者にとっては苦痛、コスト増になることがあります。こうした不都合を回避するために、事前に債権譲渡禁止特約を結ぶことがあるのですが、こうした特約の付いた債権は売掛債権担保融資の対象外になり、融資を受けることはできなくなります。

ファクタリングと売掛債権担保融資の違い

まずファクタリングと売掛債権担保融資には、基本的な違いがあります。それはファクタリングは債権譲渡であるのに対して、売掛債権担保融資はあくまでも融資です。

こうした基本的な違いがあるために、次のような点で異同があります。

保証協会

保証協会は金融機関の融資に対して保証を付けますが、債権譲渡に対しては保証は付ける役割を負っていません。

このことから当然にして、売掛債権担保融資には保証協会による保証が付きますが、ファクタリングについては保証協会の保証は付きません。

返済

ファクタリングは、二社間取引のときは会社が売掛金を回収後にファクタリング会社に支払い、三社間取引のときは、売掛先がファクタリング会社に支払います。

売掛債権担保融資の場合には、融資元の金融機関に開設された口座に売掛代金が入金され、返済されることになります。

返済に関しては、ファクタリングも売掛債権担保融資も実質的な違いはないと言えます。

返済できないとき

ファクタリングのときも、売掛債権担保融資のときも、売掛先が倒産などすれば売掛金を回収できない事態になります。

このときファクタリングの場合は、ファクタリング会社に償還請求権が有るか無いかによって状況が異なります。

ファクタリング会社に償還請求権がなければ(ノンリコース)、ファクタリングで資金調達した会社が責任を負うことはありませんが、ファクタリング会社に償還請求権があれば会社が責任を負い、ファクタリングした会社が支払義務を負うことになります。

売掛債権担保融資のの場合には、保証協会が代位弁済をすることになります。会社に代わって保証協会が代位弁済することになりますが、その後、保証協会が会社に対して求償権を持つことになります。

金利と手数料

売掛債権担保融資の性質は、あくまでも融資です。融資ですので利息が発生しますし、利息制限法が提供されます。

利息制限法についてはリンク先で解説しています。

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ファクタリングの性質は、債権譲渡です。したがって、利息ではなくて、ファクタリング会社に対する手数料が発生します。しかもこの手数料の上限には制限はありません。

この点は、ファクタリングと売掛債権担保融資の大きな違いと言えます。

ファクタリングと売掛債権担保融資の違い一覧表

金融機関から売掛債権担保融資を断られた場合には、否応なくファクタリングが選択肢の1つになってしまいます。

ただ会社によっては、売掛債権担保融資よりもファクタリングによって資金調達すべき方が有利となりますので、いずれを選択するかは金利や手数料等のコスト、ファクタリング会社の償還請求権の有無を基に判断した方が良いと思います。

最後に、ファクタリングと売掛債権担保融資の違いの一覧表を掲載します。

項目 ファクタリング 売掛債権担保融資
取引の性質 債権譲渡 融資
保証協会による保証
返済方法 基本的には返済専用口座
返済できないとき 償還請求権の有無による 保証協会による代位弁済
手数料・利息 利息制限法の適用なし 利息制限法の適用あり

※ 二社間取引か三社間取引かにより異なる。

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